−聴竹居で育まれたものたち−
開催予告
山内逸三と藤井厚二
−聴竹居で育まれたものたち−
当館が所在する多治見市笠原町がタイルの町へ変わるきっかけをつくった人物に山内逸三がいます。山内は窯業学校を卒業後、1923 年頃から京都の地で窯業・絵画・英語を学び、1929年に帰郷。その後6年の時を経て施釉磁器モザイクタイルを開発し、その量産体制を確立させました。
そんな山内に多大な影響を及ぼした京都時代を語る上で欠かせない⼈物が建築家、藤井厚二です。藤井は1928年、木造モダニズム建築の傑作にして2017年に重要文化財指定を受けた平屋住宅、「聴竹居(ちょうちくきょ)」を自ら所有する大山崎町の土地に建て、家族と共に居住しました。この藤井の元に、当時の山内が出入りしていたのです。家具や照明など、建築を彩るあらゆるものをデザインした藤井は陶磁器にも並々ならぬ関心を注ぎ、敷地内に窯を築いて「藤焼」と称するやきものを制作しました。
本展では、当時の京都で建築陶材の研究や陶磁彫刻の工芸化を牽引した国立陶磁器試験所の存在を背後に見据えながら、山内逸三が戦前に制作した美術タイル、そして本邦初となる、藤焼の中でもとりわけ特徴的な動物の陶磁彫刻を一挙、公開します。
当館が所在する多治見市笠原町がタイルの町へ変わるきっかけをつくった人物に山内逸三がいます。山内は窯業学校を卒業後、1923 年頃から京都の地で窯業・絵画・英語を学び、1929年に帰郷。その後6年の時を経て施釉磁器モザイクタイルを開発し、その量産体制を確立させました。
そんな山内に多大な影響を及ぼした京都時代を語る上で欠かせない⼈物が建築家、藤井厚二です。藤井は1928年、木造モダニズム建築の傑作にして2017年に重要文化財指定を受けた平屋住宅、「聴竹居(ちょうちくきょ)」を自ら所有する大山崎町の土地に建て、家族と共に居住しました。この藤井の元に、当時の山内が出入りしていたのです。家具や照明など、建築を彩るあらゆるものをデザインした藤井は陶磁器にも並々ならぬ関心を注ぎ、敷地内に窯を築いて「藤焼」と称するやきものを制作しました。
本展では、当時の京都で建築陶材の研究や陶磁彫刻の工芸化を牽引した国立陶磁器試験所の存在を背後に見据えながら、山内逸三が戦前に制作した美術タイル、そして本邦初となる、藤焼の中でもとりわけ特徴的な動物の陶磁彫刻を一挙、公開します。
会期 | 2025年10月4日(土)〜2026年2月1日(日) |
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会場 | 多治見市モザイクタイルミュージアム 3Fギャラリー |
休館日 | 月曜日(休日の場合は翌平日)、 |
2025年12月28日〜2026年1月3日 | |
開館時間 | 午前9時〜午後5時(入館は午後4時30分) |
観覧料 | 一般500円、団体400円(特別展示料金)、高校生以下無料、障がい者手帳をお持ちの方及び付き添い1名様無料 |
主催 多治見市モザイクタイルミュージアム
協力 株式会社竹中工務店、 一般社団法人聴竹居倶楽部 ほか
監修 加藤郁美
開催予告
山内逸三のタイルに魅せられ、10年以上日本のタイル史を研究し続けてきた本展の監修を務める加藤氏によるギャラリートーク。当地域のタイル産業の礎を築いた山内が制作していた美術タイル、そして彼が若い頃を生きた時代のタイル文化とは一体どんなものだったのか、本展の内容を深掘りする形で当館学芸員が伺います。
・日時 :2025年11月16日(日)13:30〜14:15+質疑応答
・講師 :加藤郁美(日本タイル史研究家(本展監修者))
・聞き手 :清水雄也(当館学芸員)
・会場 :多治見市モザイクタイルミュージアム 3Fギャラリー前
・定員 :20名
・参加費 :無料(別途入館料500円は必要)
・応募方法等 :事前申込制。申込はGoogleフォームにて受付いたします。(10月8日(水)12:30 開始予定/先着順・1名ずつの申込)
profile | 加藤 郁美 |かとう いくみ
編集者・日本タイル史研究家。早稲田大学部文学部哲学科卒。株式会社作品社に編集者として勤めたのち独立、月兎社主宰。編集担当に『郵便配達夫シュバルの理想宮』、『ヘンリー・ダーガー:非現実の王国で』(作品社)など。著書に『切手帖とピンセット:1960年代グラフィック切手蒐集の愉しみ』『にっぽんのかわいいタイル:昭和レトロ・モザイクタイル篇』(国書刊行会)、『どうぶつ帖』『シガレット帖』(倉敷意匠計画室)。常滑杉江製陶所見本室タイル保存活用委員会など、戦前タイルの保存活動にも参加している。
開催予告
山内逸三は第二次世界大戦後、自社の製品生産が軌道に乗ると作業を妻に任せるようになったと言われています。戦前のような装飾的なタイルを制作する機会が少なくなっていくなかで、山内が戦後に制作した美術タイルの施工例が唯一現存されている山周セラミック自宅外壁(1976年頃)をこの機会にご覧いただきます。そして、山内と同じように人の手をかけ、1980年から続く窯で日本でも数少ない10mm角という、まさに「モザイク」と呼べるタイルを作り続ける同社の工場を代表取締役社長、長江優緒氏に案内いただきます。
・日時 :2025年11月16日(日)
午前の部 10:40〜12:00
午後の部 14:40〜16:00
・講師 :長江優緒(山周セラミック有限会社 代表取締役社長)
・会場 :山周セラミック有限会社(多治見市笠原町内)
※当館から歩いて向かいます
・集合場所 :多治見市モザイクタイルミュージアム1F受付
・定員 :各回10名 ※本展監修者の加藤郁美氏帯同予定
・参加費 :1500円(入館料込み)
・応募方法等 :事前申込制。申込はGoogleフォームにて受付いたします。(10月8日(水)12:30 開始予定/先着順・1名ずつの申込)
profile | 長江 優緒 |ながえまさお
山周セラミック有限会社 代表取締役社長
開催予告
江戸時代から続く当地域を代表する窯元である幸兵衛窯、8代の加藤亮太郎氏をお招きしてのギャラリートーク。加藤氏は伝統的な美濃桃山陶の茶碗に加え、書と陶が融合した作品や異素材を取り入れた作品を積極的に手がけ、藤焼のモチーフとも一部重なる動物の香合も制作するなど幅広い活動を行っています。京都の大学を出られ、聴竹居にも赴いたことのある加藤氏に藤焼の造形性の観点から当館館長がお話を伺います。
・日時 :2025年12月13日(土)13:30〜14:15+質疑応答
・講師 :加藤亮太郎(陶芸家、幸兵衛窯8代目)
・聞き手 :岩井利美(当館館長)
・会場 :多治見市モザイクタイルミュージアム 3Fギャラリー前
・定員 :20名
・参加費 :無料(別途入館料500円は必要)
・応募方法等 :事前申込制。申込はGoogleフォームにて受付いたします。(11月12日(水)12:30 開始予定/先着順・1名ずつの申込)
profile | 加藤 亮太郎 |かとうりょうたろう
陶芸家、幸兵衛窯8代目
開催予告
本展で取り上げる藤井厚ニに関連した展覧会が下記にて開催されます。
ぜひ合わせてご覧ください。
後山山荘(旧・藹然荘(あいぜんそう))の100年とその次へ|福山が生んだ建築家・藤井厚二
会期:2025 年10月4日(土) - 2025 年11月30日(日)
リビング・モダニティ 住まいの実験 1920s-1970s
会期:2025年9月20日(土) - 2026年1月4日(日)
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