本展では、新収蔵品をはじめ、これまで展示する機会の少なかった レスキュータイル(解体現場などから救い出されたタイルの断片)や、建築を彩ってきた作家によるタイル壁画の断片、モザイク作品を紹介します。 かつての建物で人々の暮らしを彩っていたタイルたちは、静かにその記憶を語りかけてくれます。
モザイクタイルミュージアムの源流には、1 万点を超える資料を収集した「モザイク浪漫館」の存在があります。1990 年代初頭、町内の有志によって始まったタイル資料収集活動を基盤とし、その膨大な資料はミュージアムの開館に伴い受け継がれました。
収集品は、タイルのピースや見本台帳、タイルでつくられた浴槽・流し台、建物の壁や床の一部に至るまで多岐にわたります。本展では、特に建物の解体現場から救出された部材に光を当て、当時の写真資料とともに、タイルが人々 の暮らしの中でどのように息づいていたのかを追体験します。
さらに、建築家 今井兼次、洋画家 脇田和 による芸術性豊かなタイル作品の断片、そして多治見市を拠点 に活躍し急逝したモザイク作家 曽根研 の大作(新収蔵品)と関連写真も公開します。 廃材として消えゆくはずだったタイル片や、創作の背景を伝える資料が、いま「語り部」として甦ります。
タイル資料が持つ価値と魅力をあらためて感じていただける機会となれば幸いです。